ツアー中に見られる生き物

沿岸海域

ミナミハンドウイルカ

一年中見られます。
人がイルカの周りで泳ぐドルフィンスイムに向いた性質です。
5~10頭くらいの群れでいることが多いです。
大きさは最大で2.5メーターくらいです。
父島列島では南島周辺でよく出会います。
御蔵島や天草でも見られます。
小笠原で一番のアイドルと言ってもいいでしょう。

ハシナガイルカ

こちらも一年中見られます。
船が大好きで舳先の真下で波乗りをして遊びます。
大きさは最大で2メーターほどです。
50頭から100頭くらいの大きな群れを作ります。
夜行性で昼間は沿岸で休憩しています。
夕方になると目覚めてジャンプしながら沖合いの餌場に向かいます。
このときのジャンプは高く飛んでひねりを入れます。
外国で「スピナードルフィン」と呼ばれるのはこの行動からきています。


ザトウクジラ

11月からGW頃まで見られます。
大きさは1314メーターほどです。
小笠原海域は繁殖場所で、ザトウクジラの故郷です。
小笠原ならではの光景は、産まれて間もない子クジラや、複数のオスがメスを追いかける繁殖集団です。
潜る瞬間に見える横幅5メーターの尾びれや、ブリーチングと呼ばれる豪快なジャンプなどが見どころです。

アオウミガメ

春先から繁殖のために集まってきます。
水面にぽっこりとした甲羅が見えます。
息継ぎの瞬間にはユーモラスな顔も見えます。
5月頃からは海岸に上陸して産卵します。
2ヶ月で孵化して子ガメは大海原へ出て行きます。

マンタ(オニイトマキエイ)

エイの最大種です。
横幅4メーター近いものを見たことがあります。
春先は父島二見湾内、夏は父島巽湾内でよく見かけます。
すばやく泳ぐ準備をして海に入ると水中で見られることもあります。
マンタスイムですね!

マッコウ海域

(沖合い15キロほど、水深1000メーター超の海域)

マッコウクジラ

一年中見られます。
ただし、実際のウォッチングはGW明けから11月の終わりごろまでです。
マッコウ海域へ行けるのは海の状況によります。
クジラの中で最も深く、長く潜る種です。
ダイオウイカなどの大型のイカを餌にしています。
小笠原海域にいるマッコウクジラは育児集団というメスと子クジラです。
メスの大きさは11メーターほどです。
オスは大人になる前に育児集団を離れます。
繁殖期になると15メーターを越える巨大なオスがどこからともなく現れます。
そして複数のメスを従えた繁殖集団を作ります。
繁殖が終わるとオスは再び離れていきます。
潜る瞬間に見えるたくましい尾びれが見ものです。

マダライルカ

外洋性のイルカです。
マッコウクジラの次によく出会います。
大きさは2.5メーターほどです。
群れの大きさは通常100の単位です。
1000頭を超えるのではないか、という大群に出会ったこともあります。
舳先の真下でよく遊びます。

コビレゴンドウ

ゴンドウと漢字で書くと「巨頭」です。
文字通りあたまが大きく、イルカのようなクチバシはありません。
オスは7メーターほどになり迫力があります。
全然「コ」ではありません!

オキゴンドウ

まれに出会います。
コビレゴンドウに比べると友好的です。
船に寄ってきて舳先の真下で遊ぶこともあります。

カズハゴンドウ

出会えるのはシーズンに一回くらい。
稀な種です。
500頭くらいの群れでいるのが普通です。
水中マイクで音を聞くとうるさいほどです。

アカボウクジラ

正面顔が人の赤ちゃんみたいに見えます。
シーズンに2,3度出会います。
基本的に船には寄ってきません。
潜るときに尾びれを上げることもありません。
一説によると、潜水能力はマッコウクジラにひけを取らないそうです。

シャチ

20年以上マッコウ海域に通っていますが、この眼で見たのは一度だけです。
他の方の情報もいれれば、数年に一度の目撃があります。

海鳥

春から秋は多くの海鳥が見られます。
カツオドリ、オナガミズナギドリ、アナドリ、クロウミツバメ、シロハラミズナギドリなど冬から春はアホウドリの仲間が見られます。
クロアシアホウドリが一番多く登場します。
翼長2メーターを超えます。
コアホウドリも時々見られます。
アホウドリに出会えたら超ラッキーですね!
眼を見張る美しさです。
その他には、アカアシカツオドリ、アオツラカツオドリ、アカオネッタイチョウ、コグンカンドリなどを見たことがあります。